日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
肝被膜下膿瘍を合併した胆嚢結腸瘻の1例
長谷川 義展山階 武宇都 佳彦馬越 泰生浅野 耕吉杉田 博二原田 博雅
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2009 年 51 巻 11 号 p. 2911-2917

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抄録
症例は70歳,男性.主訴は腹痛であった.来院時の腹部CTで肝被膜下及び肝彎曲周囲の液体貯留と上行結腸に10mm大の結石を認めた.胆嚢炎による肝被膜下膿瘍,腹腔内膿瘍と診断し,上行結腸の結石は胆嚢結腸瘻からの落下結石を疑った.大腸内視鏡検査で下行結腸に胆石を認め,肝彎曲に瘻孔開口部を確認した.経皮的ドレナージ(PTAD)と内視鏡的胆道ドレナージ(EBD)で膿瘍は消失し,瘻孔は自然閉鎖した.肝被膜下膿瘍を合併し,PTADとEBDで保存的に治療し得た稀な胆嚢結腸瘻の1例を経験したので報告する.
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© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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