日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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ISSN-L : 0387-1207
原著
胸部食道亜全摘胃管再建症例の逆流性残食道炎と胃管粘膜の検討
本島 柳司宮崎 信一青木 泰斗中島 光一岡崎 靖史赤井 崇上里 昌也井上 雅仁堀部 大輔岡住 慎一島田 英昭落合 武徳本島 悌司松原 久裕
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2012 年 54 巻 7 号 p. 1991-1999

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抄録
【背景】胸部食道切除胃管再建術を行った症例の残食道炎(RE-re)発生について,胃管pHと胃管粘膜の状態との関連性を検討した.【方法】術後上部消化管内視鏡検査時に胃管粘膜生検および胃管pH測定を施行した117症例を対象とした.RE-reはロサンゼルス分類(改)(LA分類)を用いて分類し,pHは鉗子孔挿入型微小ガラスpH電極を用いて胃管上部で測定した.生検は胃管の上部下部の2カ所で行い,Helicobacter pyloriHp)感染・萎縮・腸上皮化生(IM)の各項目において検討した.【結果】Hpの感染が進行した症例はpHが高値であり,RE-re発生が減少していた.同様に,萎縮およびIMが進行した症例はpHが高値であり,RE-re発生が減少していた.【結論】RE-reの発生はHp感染・胃管粘膜の状態と密接な関係があるものと考えられた.
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© 2012 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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