GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY
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2016 Volume 58 Issue 12 Pages 2458-2460

Details

概要

沿革・特徴

1922年 札幌逓信診療所として開設

1942年 札幌逓信病院に昇格

1989年 電電公社の民営化に伴いNTT札幌病院に名称変更

1999年 NTT再編成に伴い現在の名称「NTT東日本札幌病院」となった

組織

当院は診療部,診療支援部,健康管理センター,看護部,事務部と分かれており,内視鏡センターは診療支援部の一部門として独立した部所であるが,専属の医師はおらず消化器内科部長がセンター長を兼任し,消化器内視鏡は消化器内科,気管支鏡は呼吸器内科が担当している.看護師は基本的には外来部門に所属しており,当センターには2016年1月現在6人(うち技師4人)が平日の日勤業務を担当し,その他に救急部,外来看護部から交代で勤務している.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡室の特徴

内視鏡室は外来棟地下1Fにあり検査室は5部屋である.総面積227.55m2と決して広いとは言えないスペースのため,ルーチンスクリーニング用の他の検査室は最低限のスペースとして,ESD等の処置用の検査室5とEUS・EUS-FNAを主に行う検査室3を広めに確保した.洗浄室と作業廊下を検査室の裏側に配置し,スタッフと患者の導線が交わらない様に配慮している.

近年,鎮静での内視鏡を希望する方が増加しているため,検査後はリカバリールームで十分な休息を取ってから帰宅していただいている.

全検査室の画面をスタッフルーム(カンファレンスルーム)のモニターで確認できる.検査の進捗状況を確認しながら研修医の指導等に役立てている.

内視鏡室内に透視室がなく,同じ地下1階に放射線科の管轄の透視室があり透視下の内視鏡を行っている.

スタッフ

(平成28年4月現在)

医   師:指導医2名,専門医3名,その他スタッフ3名,研修医など2名

内視鏡技師:Ⅰ種4名

看 護 師:常勤8名

事 務 職:1名

そ の 他:2名

設備・備品

(平成28年2月現在)

 

 

実績

(平成27年1月~平成27年12月まで)

 

 

指導体制,指導方針

初期研修医は内視鏡手技の見学からスタートし,内視鏡モデルによる上部消化管内視鏡の操作・観察のトレーニングを行う.個々の研修医の到達度や情熱によるが,一定レベルに到達したと判断できた場合,上級医の指導を受けながらリスクの少ない症例から内視鏡検査を行っている.また,後期研修医は初期研修医のステップが終了し,通常の上部消化管内視鏡検査の観察・撮影・生検などがある程度できる様になったら下部消化管内視鏡のトレーニングをスタートする.ERCP,EUSも同様に見学から開始し習熟度を見ながら症例を選んで上級医の指導のもとに検査を行っている.ESDの症例も年々増加してきている.筆者が赴任する前の2011年は年間一桁の症例数であったが,2015年は年間100例を超えた.当院でESDを研修したいと希望してくる研修医もいるため,豚の胃や腸を使って内視鏡治療を指導するハンズオンセミナーも行っている.同セミナーは当院の研修医以外に大学や市内の他施設の若手医師も参加して内視鏡手技のレベルアップをはかっている.また,内視鏡は操作だけではなく診断も重要であるため,週1回の内視鏡カンファレンスで研修医がおこなった症例や教育的な症例は検討を行っている.そして,内視鏡治療した症例は検体を実体顕微鏡で観察しながら自分たちで検体の切り出しを行い,週1回の病理カンファレンスで内視鏡所見と病理所見を比較検討し内視鏡診断能力の向上に努めている.

現状の問題点と今後

① 内視鏡室内に透視室がなく,同じフロアー内の放射線科の管轄の透視室を他科と共用で使用している.そのため,検査が重なると効率が低下する.なんとか解決したいと考えを巡らせているが札幌市中心部の狭い限られた敷地の施設であるため限界がある.

② 内視鏡件数増加に伴い,医師・看護師の検査以外の業務量も増加している.そのため,2016年春からメディカルアシスタントを導入し負担軽減をはかっている.

③ 当院の内視鏡はドックセンターの内視鏡検診が約半数を占めている.すべての検診まで常勤医で施行するのは難しいため,派遣医師にも手伝ってもらっているが,必ずしも内視鏡専門医ではないため質にばらつきがある.すべての検査のダブルチェック等は難しいため,所見の記載方法を一定のひな形にする等して対策を試みている.

④ 内視鏡機器の面でも,件数増加に伴い検査が円滑に進まなくなることがしばしばでてきたため,2015年秋に内視鏡の本数を増やした.それと同時に拡大内視鏡の本数も増えて拡大内視鏡をルーチンで使用できるようになり検査の質が向上した.同時期に大腸カプセル内視鏡も導入し,かなり充実してきた.今後,さらに高いレベルの内視鏡検査・治療を提供できる様に研鑽を積んでいきたい.また,研修医に消化器内視鏡の魅力を伝え,意欲のある若手を育成していきたい.

 
© 2016 Japan Gastroenterological Endoscopy Society
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