2016 年 58 巻 9 号 p. 1453-1465
重症急性膵炎後のwalled-off necrosis(WON)は重篤な局所偶発症であり,感染例や有症状例は侵襲的治療が必要となる.近年,こうしたWONに対するEUSガイド下ドレナージと内視鏡的ネクロセクトミーによる経消化管的治療が開発され,良好な治療成績が得られている.現在では,専用の大口径メタルステントを用いる方法や追加内視鏡ドレナージテクニックにより,多くのWONは内視鏡治療単独で治癒可能となっている.しかし手技に伴う重篤な偶発症も経験されるため,内視鏡治療に固執することなく,経皮的アプローチや外科手術も考慮した広い視野での治療戦略が必要である.本稿では,WONに対するわれわれの内視鏡治療戦略と手技のポイントについて概説する.