抄録
細径直視式上部消化管ファイバースコープ FGI-SD及びFGI-SOは,食道・胃・十二指腸球部の生検を含めたルーチン検査に広く用いられており,素晴しい威力を発揮している.このうち,特にFGI-SDは外径が9.8mmφと極めて細いにも拘らず,鉗子孔を2.6mmφと大きく設計されており,これは従来より完成品とされる胃生検用スコープFGS-BLと同じ鉗子孔である.従って,標準生検鉗子は勿論のこと,その他,ポリペクトミーナイフ,三又鉗子,ワニ口鉗子,凝固鉗子の使用も可能であり,FGI-SDを用いて,ポリペクトミー,異物除去,Electrocautery(電気焼灼),Electrocoagulation(電気凝固)等の多方面における内視鏡的処置が可能であり,実際の臨床使用において優れた成果を示している.今回,FGI-SDの多目的用法について報告する.