日本消化器内視鏡学会雑誌
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5% ethanolamine oleateのparavariceal injection後に発生する食道病変についての検討
矢崎 康幸奥野 一嘉石川 裕司山田 政孝小野 稔太田 知明田村 保明長谷部 千登美鈴木 貴久富永 吉春高橋 篤関谷 千尋並木 正義
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1986 年 28 巻 10 号 p. 2257-2267

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抄録
 5% ethanolamineo leate meglumine amidotrizoate(5% EOMA)を用いて食道静脈瘤の内視鏡的栓塞療法を施行した肝硬変症例35例につき,paravariceal injectionに起因する食道病変を検討した.この場合注入量が2.0mlを超えると注入局所の潰瘍発生率が急増する.重篤な合併症として食道潰瘍からの大出血1例,食道粘膜の広汎な剥離脱落2例,巨大血腫による食道内腔閉塞1例,胸腔への食道潰瘍穿孔1例をみた.これらの合併症を予防する手技的な工夫につき述べた.5%EOMAのintravariceal injectionがなされた例では重篤な合併症は1例もなかった.イヌを用い,種々の濃度および量のEOを食道粘膜下に注入して検討した結果,食道潰瘍の発生率とその程度は,注入したEOの濃度および量が増すほど高度なものとなった.病理組織学的検討ではEOによる食道潰瘍は,内視鏡的に潰瘍として観察される部分よりも,はるかに広い範囲にわたり粘膜下に炎症性細胞浸潤,浮腫,組織の変性壊死の像が広がっていることがわかった.このことは臨床の実際において追加治療を行う場合,注意すべき点である.
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