日本消化器内視鏡学会雑誌
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潰瘍性大腸炎における腸管外合併症並びに併存疾患の検討
相良 勝郎藤山 重俊橋口 治酒井 正俊宮瀬 秀一杉 和洋津出 和博柴田 淳治森下 愛文吉田 健
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1987 年 29 巻 9 号 p. 2031-2036

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抄録
過去8年間に治療した潰瘍性大腸炎25例における腸管外合併症につき検討した.これら合併症は5例(20%)にみられ,いずれも全大腸炎型で,臨床経過からは再燃寛解型に3例と多いが,罹病期間とは関係なかった.26歳女性例では発病後5年,全結腸切除後に大腿骨頭無腐性壊死を来たした.43歳男性例は,発病4年半後より右下肢動脈閉塞を来たし,人工血管によるバイパス術をうけた.この他,DICにて死亡した33歳女,糖尿病に脳血栓を来たした直後に本症をみた65歳女,および非B型肝硬変の36歳男に無症候性の本症をみた例などがあった.本症において大腿骨頭壊死や動脈閉塞などの合併症は稀であり,注意すべきものと考え報告した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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