日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡治療の適応決定に超音波内視鏡検査が有用であった粘膜下腫瘍の3例
安田 一朗中澤 三郎芳野 純治山雄 健次乾 和郎山近 仁印牧 直人若林 貴夫藤本 正夫渡辺 量己原田 公
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1993 年 35 巻 10 号 p. 2401-2406_1

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抄録
 超音波内視鏡検査により腫瘤が第3層までにとどまることが診断された胃粘膜下腫瘍2例,食道粘膜下腫瘍1例に対して内視鏡切除を行い病理組織学的に確定診断しえた.症例はそれぞれ前医にて胃粘膜下腫瘍,食道粘膜下腫瘍と診断され,その精査のために当院を受診したが,いずれの病変も超音波内視鏡所見上は粘膜下層までにとどまっており,粘膜下層内の広がりも限局していると判断されたため内視鏡切除を行った.切除標本より症例1は迷入膵,症例2はInflammatory Fibroid Polyp,症例3は食道平滑筋腫と診断された.超音波内視鏡検査によってその局在が粘膜下層内であると判断された粘膜下腫瘍に対しては,病理組織学的に確定診断を得る上で積極的に内視鏡切除を行うべきであると思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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