日本消化器内視鏡学会雑誌
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経口的胆膵管内視鏡法(PCPS)における電子内視鏡システムの応用
田中 聖人向井 秀一中島 正継安田 健治朗趙 栄済早雲 孝信芦原 亨平野 誠一望月 直美宇野 耕治東條 正英富岡 秀夫矢崎 とも子塚田 圭子上田 モオセ
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1998 年 40 巻 5 号 p. 824-832

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抄録

オリンパス光学で試作された親子方式の電子内視鏡システムを用いて,胆道疾患18例と膵疾患4例の計22例に経口的胆膵管内視鏡法(PCPS)を施行し,その有用性について検討した.本システムは十二指腸電子内視鏡(XTJF-M 200)と胆道電子内視鏡(XCHF-B 200)で構成され,いずれも画像処理機構として面順次方式の超小型圧電素子(CCD)を採用している.さらに照射光量の増加とCCDの画像分解能の向上が計られており,明るく鮮明な胆膵管の画像が得られた.また,モニター画像の多人数の同時観察や画像の多方面での記録と再現などの電子内視鏡の長所も十分に効果を発揮した.しかし,子スコープの鉗子孔がやや狭くなったために従来機より細径の処置具を使用せざるを得ず,生検や切石などの処置能に若干の問題を認めた.本システムの開発により,胆膵領域も電子内視鏡を応用する時代に入ったと考えられ,今後の新たな発展と展開が期待される.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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