抄録
[症例1]は66歳,女性.食道胃接合部付近に大きさ8mmの亜有茎性ポリープを認めた.[症例2]は53歳,男性.中部食道に大きさ12mmの亜有茎性ポリープを認めた.いずれの症例も頂部に白苔が付着し,表面は平滑で赤色調の隆起性病変であり,組織学的には,表面にびらんを伴い,間質に血管の拡張増生を伴った肉芽組織と好中球浸潤を認め,pyogenic granulomaと診断した.本疾患は良性の肉芽腫性病変であり自然脱落する例もあるが,出血の報告例もあることより,ポリペクトミ一等による治療が必要であると考えられた.