日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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胆汁中膵酵素か高値であった胆嚢腺扁平上皮癌の1例
越川 均須山 正文崔 仁煥窪川 良廣田所 洋行神谷 尚則大久保 裕直松村 祐志稲見 晃一佐藤 信紘川崎 誠治信川 文誠須田 耕一
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2004 年 46 巻 11 号 p. 2422-2428

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抄録
 症例は70歳,女性.大腸癌の精査で当科に入院した.腹部超音波検査,CTにて胆嚢内に濃染する塊状腫瘤を体部から底部に認めた.ERCP,MRCPでは正常な膵胆管合流部を示したが,胆管内胆汁のアミラーゼ値は7,722IU/L,リパーゼ値は26,243IU/Lと高値を示した.病理組織所見は結節浸潤型30×20×20mmの腺扁平上皮癌で,腺癌部分にはびまん性に丈の高い乳頭状腺癌および過形成の混在を認めた.潜在的膵液胆汁逆流現象と胆嚢癌との関係を示唆する症例と思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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