日本消化器内視鏡学会雑誌
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抗結核剤長期投与で偽膜性大腸炎を発症した1例
松原 寛中西 公王土居 万昭今岡 大也曽我 美子谷口 嘉康
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キーワード: 偽膜性大腸炎, 抗結核剤
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2004 年 46 巻 7 号 p. 1364-1367

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抄録

 症例は46歳女性.肺結核のため6カ月闘の抗結核剤(isoniazid 400mg/day, rilampicin 750mg/day,ethambutol 250mg/day)投与中に下痢,腹痛.血便が出現し,大腸内視鏡検査を施行た.直腸全周に偽膜が見られ,便培養では病原性菌陰性であったがClostridium difficile毒素は陽性を示し偽膜性大腸炎と診断した.抗結核剤投与を停止し,バンコマイシンおよび乳酸菌製剤の経口投与を行い症状軽快し,偽膜の消失を認めた.偽膜性大腸炎は抗生剤投与に起因することが一般に知られているが,抗結核剤によることは稀であるため報告する.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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