日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃瘻造設患者における経胃瘻的内視鏡の有用性
西脇 伸二荒木 寛司丹羽 優佳里久保田 全哉白上 洋平後藤 尚絵岩下 雅秀小野木 啓人林 隆夫前田 晃男齋藤 公志郎
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2005 年 47 巻 1 号 p. 49-55

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抄録

【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設(percutaneous endoscopic gastrostomy, PEG)患者において胃瘻から細径内視鏡を挿入し上部消化管の観察や経胃瘻的な治療(経胃瘻的内視鏡:transgastrostomic endoscopy,TGE)を行い,その有用件を検討した.【方法】内視鏡はオリンパス社製GIF-XP240を用い,ボストン社製胃瘻ボタンの交換時に瘻孔より内視鏡を挿入し,上部消化管の観察を行った.また早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection,ESD)はTGE補助下にオリンパス社製GIF-Q240を用いて行った.経胃瘻的空腸チューブ留潰はボストン社製J-TubeTM(12Fr)をTGEを用いて留置した.【成績】通常観察では51例中47例で上部空腸まで観察可能であった.PEG造設後新たな病変を発病した症例は46例中13例(14病変)であり,そのうち逆流性食道炎の発病を5例に認めた.経胃瘻的治療としてのESDを2例,経胃瘻的空腸チューブ留置を4例施行したが,いずれも安全に簡便に治療を行うことができた.【結語】TGEは通常観察においても侵襲が少なく安全に施行することができ,定期観察や経胃瘻的治療に有用な方法であると考えられた.

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