日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
臨床研究
一般病棟でのカテーテル関連尿路感染サーベイランスとその活用
岡本 みちる
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キーワード: 尿路感染, 感染率, 使用比
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2019 年 16 巻 6 号 p. 636-641

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抄録

当院は,188床(4病棟)で,看護職員の実質配置 7:1の地域の中核病院である。2016年5月より当院へ感染管理専従者として着任した。病棟ラウンドにて,尿道カテーテル管理の多くの問題点が見受けられた。そのため,まず,学習会を計画し,その前後でカテーテル関連尿路感染対策に関するアンケート調査を実施し,知識の向上が行動変容につながったかを検証した。同時に問題点に対する対策の立案,導入とCAUTIサーベイランスよりCAUTI発生率と器具使用比の低減につなげていくことができたか検討した。器具使用比は,介入前の0.15介入後は0.09であり,介入前より減らすことができていた。CAUTI発生率は,介入前は1.2,介入後は3.8であった。介入後に大幅に発生率が増加したのは,発熱がありCAUTIを疑う場合でも介入前は尿培養検査が提出されず,カテーテルの抜去や抗菌薬治療が実施され,判定に至っていなかったが,介入後は培養検査が適切に提出されるようになったためであると考えられ,サーベイランスを実施することで,医療の質についても明確になった。

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© 2019, 一般社団法人 日本外科感染症学会
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