現代ファイナンス
Online ISSN : 2433-4464
論文
企業再生を考慮した負債価値の評価
菅野 正泰
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ジャーナル オープンアクセス

2005 年 18 巻 p. 97-117

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抄録

本論では,本邦企業,特に公開企業で主流になりつつある企業再生型倒産のメカニズムを考應に人れた負債価値の評価について考察する.現在,再建型手続の中心である民事再生手続および会社更正手続は,財務的破綻に至る前の早い段階で手続申し立てが可能であり,また,再生計画が作成され,債務再交渉により債権の種類に応じて債務免除が実施される点が大きな特徴である.本論では,実証分析に基づき,確率的な手統申し立ての閾値と清算閾値の2種類の企業倒産に関連した閾値を考應した負債価値の評価モデルをセットアップし,社債の評価式を導出する.また,企業の信用力が低く,投機的格付けに位置づけられているダブルB格以下の社債の価格評価に本論の評価モデルを適用し,代表的な既存モデルとの比較分析により,本モデルの有効性について考察する.

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© 2005 日本ファイナンス学会/MPTフォーラム
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