2013 年 36 巻 1 号 p. 27-31
要 旨
目的 : 学外診療所実習の事前説明における当院の工夫として「実際に使用する医療器具を供覧し操作させる」「資料を配布する」「コメディカルスタッフが参加する」ことが, 実習を行う上で学生にとって有用であるかについて検討した.
方法 : 実習に来院した医学科5年生42名を対象とし, 実習終了後, 実習に関する事前説明についてのアンケート調査を行った.
結果 : 医療器具の供覧については全員が「わかりやすかった」, 資料の配布は81%が「必要だと思う」, コメディカルスタッフからの説明は97.6%が「重要」または「必要」, 介護保険関連施設に対する理解度は95.2%が事前説明によって「高まった」, 胃瘻管理に関する医行為については97.6%の学生が「実習前の説明は十分であった」としたが, 50%の学生が「事前説明は十分であったが不安を感じながら行った」と回答した.
結論 : 学外診療所実習における事前説明の方法として当院で行った工夫は, 学生にとって有用であると考えられた. ただし, 説明が十分であっても医行為中に不安を抱く学生もみられ, 不安を安全な実習につなげることができるようなプログラム作りが今後の課題と考えられた.