目的 : 小中学生への喫煙予防教育と父母の行動変容との関連を調査した.
方法 : 茨城県神栖市の小中学校7校で喫煙予防教育を実施し, 受講した生徒に学んだことを家で話すよう促した. 1か月後に生徒の親を対象に自記式アンケート調査を行い, 子供からタバコの話を聞いたか, この1か月のタバコに対する新たな行動変容の有無とその内容などを調査した.
結果 : 1109家庭に2枚ずつ調査票を配付し1427名の有効回答を得た. 子供から話を聞いたのは794名 (55.6%) , 行動変容があったのは271名 (19.0%) であった. 具体的な内容は, 禁煙した, 本数を減らす, 子供の前で吸わないなどが挙がった. 行動変容の有無は, 子供から話を聞いたことに有意に関連していた (オッズ比3.3 (95%Cl 2.4-4.6)).
結論 : 小中学生に対する喫煙予防教育の実施は, 本人のみならず父母のタバコに対する行動変容につながる可能性が示唆された.