日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
日本の医学部入試地域枠制度の全容並びに問題点と提言─全国大学医学部募集要項横断研究
賀來 敦松下 明
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2015 年 38 巻 1 号 p. 31-37

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抄録

目的 : 全国医学部医学科入試募集要項の横断調査を行い, 地域枠制度の全容把握と問題点の考察を行う.
方法 : 2013年度に77大学医学部が実施した地元出身者のための地域枠・将来地域医療に従事する意志を有する者を対象とした入学枠について, 大学区分・選抜方法等をWeb上で調査した.
結果 : 62大学・地域枠数148枠・総募集人数1305名を認めた. 国立大学で86枠, 推薦/AO入試で90枠を占めた. 卒業後進路限定条件を30枠, 奨学金受給義務を84枠, 確約書で任意団体への所属を求めているものを8枠で認めた. 出身要件は83枠で, 地域医療教育の特殊カリキュラムは13枠のみに認めた.
結論 : 一部の入学枠で, 卒後進路制限・奨学金受給義務化・不適切な確約書の取得などの制度構成の問題点を認めた. また本邦の出身用件はWHOガイドラインで推奨するへき地出身者の定義と異なり, 特殊カリキュラムによる教育支援実施率は低かった.

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© 2015 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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