日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
Print ISSN : 2185-2928
ISSN-L : 2185-2928
東日本大震災急性期の周産期アウトカムと母子支援プロジェクト
吉田 穂波林 健太郎太田 寛池田 裕美枝大塚 恵子原田 菜穂子新井 隆成藤岡 洋介春名 めぐみ中尾 博之
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 38 巻 Supplement 号 p. 136-141

詳細
抄録

東日本大震災発災後, 筆者は日本プライマリ・ケア連合学会被災地支援プロジェクト (PCAT) の一環として震災直後から9月1日まで家庭医と産婦人科医, 助産師の中から被災地支援者を募り, 石巻市・東松島市にて計35名の医師と50名の助産師を派遣し, 母子保健システムのサポートを行ってきた. 支援活動を通して得た調査結果, 文献や資料, 報告書などから「災害時の妊産婦および母子の健康」に関して, 実際の災害現場で有効に機能するツールを開発し, 地域連携研修を行っている. 大震災による妊娠経過や周産期アウトカムには大きな影響は見られなかったものの, 災害時の妊産婦災害対策および母子保健対策について今回初めて検証を行ったところ, 保健医療行政や災害医療の中での産科の位置づけ, 官民連携において改善すべき点が見られた.

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top