日本プライマリ・ケア連合学会誌
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WHO版サイコロジカルファーストエイド研修の取り組みと評価
原田 奈穂子
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2015 年 38 巻 Supplement 号 p. 170-175

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抄録

目的 : 大規模災害では多くの人間がトラウマティックな経験を受けるが, 近年はサイコロジカルファーストエイドを用いた精神保健・心理社会的支援を行うことが推奨されている. プライマリケア連合学会東日本大震災支援プロジェクトは2011年11月より活動予定者にサイコロジカルファーストエイド研修の受講を義務化した. 本稿ではその活動内容と実施報告を目的とし, 将来的な展望について考察する.
方法 : 開催記録と参加者の任意参加による評価表からの抽出データに記述統計分析を行った.
結果 : 本研修は参加者286人中, 医療従事者は60%であった. 1年7カ月の間に24回開催され, 参加者の多くが本研修は大規模災害のようなストレスを経験した人々に接する時のみならず, 日常の業務においても役立つと評価した.
結論 : 国際的に推奨されているサイコロジカルファーストエイドは日本の災害支援に於いても有用であることが示唆された. 効果測定やトレーナーの質に関する多角的評価が求められる.

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© 2015 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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