日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
患者チェックリスト/スコアリングシート/標準的治療レジメンを用いた,胸部X線写真で異常を認めない遷延性/慢性咳嗽症例に対する我々の診断・治療システムについての臨床的検討
平井 良
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2017 年 40 巻 2 号 p. 73-78

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抄録

目的:我々が作成した患者チェックリスト/スコアリングシート/標準的治療レジメンを用いた,胸部X線写真で異常を認めない成人の遷延性/慢性咳嗽症例に対する診断・治療システムの有用性を検討すること.

方法:胸部X線写真で異常を認めない成人の遷延性/慢性咳嗽症例120例に上記システムに基づく診断・治療を行い,うち再診による治療効果判定が可能であった83例について検討した.

結果:患者の平均年齢48.4歳(21-74歳),男性33名,女性50名,うち49例(59.0%)が気管支喘息,咳喘息,アトピー咳嗽などの「アレルギー性咳嗽」症例と最終診断された.再診時に67例(80.7%)の患者が中等度以上の症状改善(著明改善49例,中等度改善18例)を示した.

結論:遷延性/慢性咳嗽症例に対する本システムは有用であるかもしれず,さらなる臨床的検討が必要である.

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© 2017 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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