日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
20代の精神障害者の子を持つ親が参加する若手家族会の意義
井倉 一政牛塲 裕治児玉 豊彦
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2019 年 42 巻 2 号 p. 110-116

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抄録

目的:20代の子どもを持つ親で構成される精神障害者の若手家族会において,参加家族にとっての家族会の意義を明らかにする.

方法:若手家族会に参加している親に半構造化インタビューを行い,質的帰納的分類法でカテゴリーを抽出した.

結果:5人の親の同意が得られ,【語り合うことが可能となる場】【楽しく気持ちが楽になる場】【他家族とつながりを作れる場】【同じ課題を共有し合える場】【本人以外のことも話し合える場】【相互に学び合える場】【親自身のエンパワメントが促される場】【本人と向き合いやすくなる場】【家族関係が良好になる場】【地域へ問題提起する準備の場】の10のカテゴリーが示された.

結論:若手家族会に参加する親は,本人の兄弟の内容や本人が自立するにあたり直面する住居の内容,本人が加入できる保険商品の内容の問題を共有する意義を感じていた.また,地域へ問題提起する準備の場であるという意義も感じていることが示された.

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© 2019 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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