抄録
中国の黄土高原に分布する黄土は,第四紀の中国大陸における古気候変動を記録した非常に重要な堆積物である.本研究では,黄土高原の洛川で採取した黄土-古土壌シーケンス試料のOs-Nd-Sr同位体組成の分析を行い,これらの分析結果を同じ試料の磁化率・主成分元素組成・粒度組成などの分析結果と比較する.それによって,第四紀における黄土高原の古気候変動について考察を加える.また,中国西北部のイリ盆地で採取した黄土-古土壌試料の分析結果とも比較し,黄土高原の黄土-古土壌のOs-Nd-Sr同位体組成の特徴も明らかにする予定である.