IAB族は鉄隕石のグループである。これらの隕石中にはケイ酸塩包有物が含まれており、ウィノナイト(始原的エコンドライトの一種)と同一の母天体であると考えられている(Clayton and Mayeda, 1996) 。この隕石グル-プに含まれる希ガスはサブソーラーと呼ばれる元素組成(Crabb and Anders, 1981)に属する。サブソーラーが取り込まれる仕組みは太陽風が天体の元となった微小鉱物表層に撃ち込まれる際に元素及び同位体分別を受けたものであるという報告がある(Okazaki et al., 2001) 。しかし、IAB族の元素組成が本当にサブソーラーであるかどうかはわかっていない。そこで、私はこの隕石の希ガス同位体組成の測定を行った。今回は測定でわかったこと、そして今後の課題について発表する。