日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 1A18 20-03
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有機地球化学
深海堆積物高等植物ワックスの炭素同位体比時系列変化が示唆する堆積時差
*鈴木 徳行ナリン ラトナヤケ
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抄録

東大海洋研白鳳丸の研究航海(KH-99-3)によって得た北太平洋深海堆積物中の長鎖n-アルカン(n-C27,n-C29,n-C31)とエステル態長鎖脂肪酸(C22,C24,C26)の過去35万年間の安定炭素同位体比の時系列変化は東アジア大陸中緯度地域における陸上植物の植生変化(C3,C4植物の消長)を反映したものと考えられる.しかしながら,同コア試料の帯磁率の変化と底生有孔虫酸素同位体比のSPECMAPタイムスケールから見積もられる氷期♀ヤ氷期サイクルと調和していない.これは高等植物ワックスの陸上での生成時期と深海底での堆積時期に見かけ上2~3万年程の時差があるためだと考えられる.

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© 2008 日本地球化学会
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