抄録
西南日本のジュラ紀付加体中に異地性石灰岩として産する宮崎県高千穂上村石灰岩および岐阜赤坂石灰岩の“Permian minimum”を含むSr同位体比経年変動を報告する.両地域の試料はともに詳細なフズリナの生層序学が示されたペルム紀中期(Guadalupian)-後期(Lopingian)にわたる連続的な岩体ある.各々独立の海山起源だが,そのSr同位体比変動パターンは一致し,当時のグローバルな海水Sr同位体組成を反映すると考えられ,Sr同位体比急変は,超大陸パンゲアの初期リフティング開始による超海洋への大陸フラックスの急増によると推定される.