千葉県養老温泉付近で深度別(0, 3, 6, 9. 12 cm)に採取した土壌および間隙水のヨウ素の化学形態を、XANESとHPLC-ICP-MSを用いて決定した。土壌中では殆どが腐植物質などと結合した有機ヨウ素として存在し、間隙水中では有機ヨウ素と無機ヨウ素が共存していた。土壌中でヨウ素が有機態として存在していることは、micro-XRFを用いたヨウ素の局所分析からも確かめられた。間隙水中の有機ヨウ素の割合は0-6 cmで40%程度であったが、9-12 cmで数%しか存在しなかった。また、間隙水中の無機ヨウ素としてはI-のみが検出された。 天然環境中でヨウ素は有機態を形成した場合に固相に分配しやすくなることが示唆された。