抄録
近年、天然物質におけるhigh-Z元素の安定同位体比変動が盛んに研究されており、多くの元素で同位体比の変動が報告されている。我々は、様々な火成岩に対してEuおよびSrの安定同位体分析を行い、花崗岩・流紋岩に有意な変動を見いだした。このうちEu同位体比に見られた変動は、Euの還元反応に起因すると考えられ、マグマ分化との関係をレイリー分別で説明することができる。一方で、Sr同位体比の変動は、Eu同位体比の変動と相関があり、マグマ分化との関連が示唆されるが、反応過程は今のところ明らかでない。花崗岩・流紋岩におけるEuおよびSrの同位体効果には、FS効果の寄与がある事が示唆される。SrにおけるFS効果は、87Srに非質量依存の同位体効果を生じさせ得るため、本研究の結果は、花崗岩・流紋岩のRb-Sr年代学に重大な影響を与える可能性がある。