抄録
我々は、平野らが採取した太平洋プレート上に噴出した新鮮なアルカリ玄武岩(ベイサナイトJPT-2)の岩石学的研究を行い、この岩石がマントルの橄欖岩と化学平衡であったときの化学組成と揮発性分量を推定した。高圧融解実験を行い、揮発成分を含むJPT-2CWマグマが、3GPa・1400℃、すなわちザクロ石橄欖岩のソリダス付近で生じたことを明らかにし、さらに橄欖岩にJPT2CWマグマを3wt%加えた試料KLB-1*を用いて、2.2aから3.5GPa, 1200から1500℃の範囲で平均50時間以上の保持実験を行い、アセノスフェアの部分融解条件を再現した。実験結果に基づき、アセノスフェア内部での揮発成分の役割と構造モデルを提唱する。