抄録
海洋における揮発性有機化合物(VOC)の大気-海洋間収支に関する理解はまだ十分ではない。本研究では西部北太平洋で行われた白鳳丸KH-10-1次航海の3観測点において、大気-海洋間収支を求める微気象学的手法の一つであるプロファイル法を適用し、海洋直上大気を高度別に採取することができるフラックスブイと陽子移動反応-質量分析計(PTR-MS)を連結させ海洋直上大気中のVOC濃度プロファイル測定を行った。本発表では特に顕著な濃度プロファイルが得られたDMSとアセトンの大気-海洋間収支について、各観測点における違いや長時間連続観測によって得られた昼夜の差の有無に関して議論を行う。