スペインアローブスで採取された白亜紀セノマニアン期-チューロニアン期境界(約9300万年前、C-T境界)堆積物中の炭酸塩の安定炭素同位体比を分析した結果、炭素同位体比のポジティブシフトがC-T境界の約75万年前から始まっていることを明らかにし、さらにその期間中に、還元的水塊の発達を示す緑色硫黄細菌由来と考えられる2,3,6-トリメチルアリルイソプレノイドと、還元的堆積場の発達を示すジベンゾチオフェンおよびそのメチル誘導体の濃度において、2度の短期間(数千年から数万年間)の増大と1度の長期間(数十万年間)の増大があることが判明し、さらに2度の短期間の増大がそれぞれ異なる浮遊性有孔虫の絶滅と一致していることが判明した。