日本地球化学会年会要旨集
2010年度日本地球化学会第57回年会講演要旨集
セッションID: 1C09 07-02
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現世の有機物、微生物、生態系の地球化学的動態と過去の生命史の解明
セノマニアン期末東部北大西洋の古環境解析:有孔虫絶滅と海洋無酸素事変
*大庭 雅寛海保 邦夫岡部 高志ラモルダ マルコス A.ライト ジェームズ D.
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抄録

スペインアローブスで採取された白亜紀セノマニアン期-チューロニアン期境界(約9300万年前、C-T境界)堆積物中の炭酸塩の安定炭素同位体比を分析した結果、炭素同位体比のポジティブシフトがC-T境界の約75万年前から始まっていることを明らかにし、さらにその期間中に、還元的水塊の発達を示す緑色硫黄細菌由来と考えられる2,3,6-トリメチルアリルイソプレノイドと、還元的堆積場の発達を示すジベンゾチオフェンおよびそのメチル誘導体の濃度において、2度の短期間(数千年から数万年間)の増大と1度の長期間(数十万年間)の増大があることが判明し、さらに2度の短期間の増大がそれぞれ異なる浮遊性有孔虫の絶滅と一致していることが判明した。

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© 2010 日本地球化学会
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