大阪府枚方市・交野市・四條畷市の3市で地下水中の水銀の分布を調査した。その結果,環境基準値(0.0005mg/L)を超える水銀を含む井戸は52カ所中の1点のみであったが,検出下限値(0.00005mg/L)を超える井戸は18地点あった。これらの井戸は,活動的な生駒断層系の断層直上か,断層に沿って西側に分布していた。また,断層を横切る側線での土壌ガス中の水銀は,断層近傍で検出された。これらのことから,水銀は断層に沿って地下深部から上昇し,断層あるいは撓曲帯に分布する不圧地下水中に混入していることが疑われる。