日本地球化学会年会要旨集
2011年度日本地球化学会第58回年会講演要旨集
セッションID: 1P23
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セッション9 初期地球のダイナミクスと生命
インド、始生代ダールワール岩体、チトラドゥルガ片岩帯における変成堆積岩の炭素・硫黄・酸素・ストロンチウム同位体研究
*山崎 里英エム サティシュ-クマール亀井 淳志中川 麻悠子上野 雄一郎外田 智千アブドゥッラ ナシース吉田 尚弘
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抄録

始生代後期から原生代初期にかけて、酸素濃度の上昇や反世界的な氷河期が報告されている。したがって、この時代の環境を詳細に研究することは、初期地球の発展を知る上で重要である。
インド南部、ダールワール地体のチトラドゥルガ片岩帯には3400Ma-2400Maの弱変成堆積岩が分布している。今回はチトラドゥルガ片岩帯に露出する炭酸塩岩に焦点をあて、炭素・硫黄・酸素・ストロンチウム同位体分析を行った。
予察的な結果では、炭酸塩岩のδ13Cとδ18O、87Sr/86Sr比の結果はそれぞれ-2.3~0.1‰, 14.8~22.5‰、0.715~0.7031となり、炭酸塩岩中の炭素質物質のδ13Cは-22.1~-5.8‰となった。また、珪岩に含まれる硫化物はδ34Sが-0.67~-0.71‰、Δ33Sが0.02~0.14‰を示した。
炭酸塩岩中の炭素質物質の炭素同位体組成は、通常よりも高い値を示している。一番高い値(δ13C=-5.8‰)は結晶質石灰岩からみられ、部分的に変成による再平衡をうけたと予測される。さらに、低い酸素同位体組成と高いストロンチウム比からは、堆積後の変質が示唆される。

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