植物プランクトンにとっての必須元素である鉄は、酸化的な海水中では主にFe(III)として存在するが、Fe(II)も微量ながら存在することが明らかになってきた。Fe (II)とFe(III)では植物プランクトンによる利用性が異なるため、それぞれの化学種の分布と挙動を把握することは重要である。しかし、酸素を豊富に含む海水中でのFe(II)の酸化速度が非常に速いため、Fe(II)の測定は困難であった。そこで本研究では、既存の現場型自動分析装置(GAMOS)をFe(II)用に改造し、外洋域(主に西部インド洋)において海水中のFe(II)の測定を行った。また、観測現場において標準添加法によるキャリブレーションを行うシステムを新たに構築した。