抄録
秋田県由利原地域で実施された地震探鉱調査のダイナマイト孔を利用し、ヘッドスペースガス法による地表地球化学探査を実施した。C2~C6が100ppm以上の高濃度を示す2地点は、地表調査で油・ガス徴が発見されている地点にほぼ一致しており、地下にはこの地点付近から深部に達する断層が推定されている。エタンおよびプロパンの炭素同位体組成は鮎川および由利原油・ガス田深部の玄武岩層から産出するガスに近い値を示し、微生物分解作用を受けた浅部の下部天徳寺層や女川層から産出するガスとは異なる。このことは、本地域深部の玄武岩層から産出するガスと同等の熟成度のガスが断層を通路として地表まで移動していることを示唆している。また、地表付近での微生物分解作用を受けていないということは、ガスの流れが定常的で速いことを意味すると推定される。