抄録
単に指標の示す数値のみを見てメタンの起源についてあれこれと議論することは,メタンの起源推定を誤るのみならず,地下炭化水素資源の成因や分布に対する理解をまったく誤った方向へ導く危険性をはらむ。ということを,川口と土岐(2010,地球化学)で指摘し,これまでの知見を整理した。 大事なことなので,表現を変えて繰り返し述べるが,近年の分析技術の向上には目を見張るものがある。一方で得られたデータの解釈については,たとえばWhiticar (1999, Chem. Geol.)などで提案されている解釈をそのまま利用している研究がほとんどである。これはすなわち,「高精度GPSを搭載していながら地図の更新されないカーナビを盲信してドライブをしている状況」と言えよう。これは大変に危険で,壁に激突したり,海に飛び込んでしまうかもしれない。