日本地球化学会年会要旨集
2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集
セッションID: 1C04
会議情報

G14 初期地球と生命起源の地球化学
弱還元型惑星大気中でのアミノ酸生成のエナジェティック:タイタンと原始地球
*小林 憲正阿部 仁美伊勢 絢一癸生川 陽子依田 功福田 一志近藤 康太郎小栗 慶之
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

  弱還元型大気中での有機物生成の検証のため,二酸化炭素・メタン・窒素・水蒸気混合気体への陽子線照射・火花放電,メタン (5%)・窒素 (95%)混合気体(模擬タイタン大気)への陽子線照射・γ線照射を行い,生成物中のアミノ酸分析などを行った。

 火花放電では、メタン混合比30%以下ではアミノ酸が検出されなくなったが,陽子線照射では、メタン混合比が1%でもアミノ酸の生成が確認された。このことから、もし原始大気の組成が極めて弱い還元型であった場合、雷によるアミノ酸等の生成は期待できないが、宇宙線によるアミノ酸等の生成が可能であることが示唆された。

 模擬タイタン大気への陽子線照射では気相中でもやが生じ,その加水分解でアミノ酸が生成した。タイタンでのアミノ酸前駆体の生成を考える場合,高層大気より,むしろ濃厚な下層大気中で宇宙線の作用による生成が重要であることが示唆された。

著者関連情報
© 2015 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top