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鉄マンガン酸化物とは現在の海底に広く分布し,黒色の酸化物濃集体の総称である。海底の岩盤を被覆するものをマンガンクラストと呼ぶ。このマンガンクラストは様々な金属を濃縮していることで知られており、有望な海底資源として注目されている。近年海底の探査技術は発達してきたが海洋は広く深いため、貴金属のマンガンクラストへの濃縮機構を理解することは、有望海域を絞り込むために必要不可欠である。濃縮される金属の中でもPtとPdについては海水中でのPt/Pd濃度比は約1であるがマンガンクラスト中のPtはPdと比べて最低でも100倍以上濃縮していることが報告されている。この現象は"Pt/Pd異常"と呼ばれこの原因は解明されていない。この原因をマンガンクラストの主成分の一つであるδ-MnO2にPt(II)とPd(II)を吸着させるモデル実験を行い吸着挙動の差を比較することで"Pt/Pd異常"の解明することを本研究の最終目的としている。