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近年、室温高圧条件でアミノ酸の一種であるアラニンから、二量体(アラニルアラニン)をはじめとするアラニンの重合体が生成することが報告された。しかしながら、圧力誘起重合反応のメカニズムや生成物の空間分布は明らかになっていない。本研究では、ダイヤモンドアンビルセルを用いて53 GPaまで加圧したアラニンを回収し、小型走査型透過X線顕微鏡(cSTXM)を用いたアラニルアラニンの検出と、その空間分布の取得を試みた。発表では、アラニンとアラニルアラニンの標準試料、高圧から回収した試料を水に溶解させたのち蒸発乾固した薄膜、回収試料をFIBで加工した薄膜についてSTXM観察の結果を報告する。