日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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G13 固体地球化学(全般)
世界最大のかんらん石
*山本 順司石橋 秀巳萩原 雄貴横倉 伶奈新井田 清信
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p. 121-

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抄録

我々は顕微ラマン分光分析による結晶方位同定ならびにFo値測定によって,幌満かんらん岩中の脈状かんらん石が世界最大の長さを持つことを確認した.日高山脈の南端には,見事な層状構造を持つかんらん岩が露出している.その面に露出しているマグマチャネルの中で5 cmの範囲を任意に選び,1 mm間隔でライン分析をおこなった.その結果,この5 cmの範囲におけるFo値の変動は±1程度であり,当手法によるFo値測定精度(±1)と同程度であった.結晶方位についても同様であり,測定領域においてFo値および結晶方位に明瞭なギャップは確認されなかった.これらの結果から,測定領域のかんらん石は一続きの結晶であると考えられる.このように,顕微ラマン分光法によって岩石組織をマクロに分析することが可能とわかった.顕微ラマン分光法は多くの鉱物に適用可能であるため,今後,岩体に残された様々な地質現象を読み解く上で有用な道具として機能するであろう.

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© 2017 日本地球化学会
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