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本研究では、SIMSによる輝石の水素同位体分析法を開発することを目的とした。標準試料にはソロモン諸島マライタ島産メガクリストの輝石SAX34(Ishikawa et al., 2004)を用いた。SAX34を包有物のない純粋な部分のみ粉末化後、熱分解型元素分析/同位体比質量分析計(TCEA/MAT253 IRMS)を用いて水素同位体比および含水量を測定した。標準試料SAX34の水素同位体比はδDVSMOW=-91‰、含水量は1120 ppm wt H2Oであった。また結晶内の含水量及び水素同位体組成の均質性をSIMSにより評価した結果、含水量は、1120±40ppmで均質であり、水素同位体組成は、測定誤差範囲内と等しく約20‰の範囲で均質と評価できた。講演ではこの開発した手法を用いて太古代斑レイ岩中の輝石の水素同位体比を含めた太古代のマントルの水素同位体組成について議論する。