日本地球化学会年会要旨集
2019年度日本地球化学会第66回年会講演要旨集
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G06 固体地球の化学とダイナミクス
エチオピア玄武岩とアデン湾MORBの高精度182W/184W比:コア-マントル相互作用検出の試み
*鈴木 勝彦賞雅 朝子深海 雄介飯塚 毅折橋 裕二新城 竜一
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p. 214-

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抄録

182Hfは比較的短い半減期890万年で182Wにベータ壊変する。Hfは親石元素、Wは親鉄元素であるために、マントルとコアの間で分別が起き,マントルは高いHf/W比,コアは低いHf/W比を持つと考えられる。地球の初期,182Hfが消滅する前にコアが分離すれば,Hf/Wの高い始原マントルは高い182W/184W比を,Hf/W比の低いコアは低い182W/184W比を持っていることになる。本研究では,東アフリカAfarプルームに由来するエチオピアの玄武岩とアデン湾のMORBに適用した結果,いくつかの試料で,繰り返しの誤差の範囲を超えて負異常が得られた。コアの物質を含んでいる可能性が考えられるか,少なくとも地球ができて間もない頃の化学分別の痕跡を含んでいると考えられる。

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