情報地質
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論説
グラフ理論による露頭構造と層序の数学的表現
―逆転する地層の表現―
河西 秀夫
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2016 年 27 巻 3 号 p. 137-148

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抄録

地層の逆転がない露頭構造と層序の数学的表現として,構造グラフG=(VR#,φV,φA)と層序グラフS=(V/E*U*,φV,φA)を提案してきた.今回,構造グラフGと層序グラフSを逆転のある露頭構造と層序の表現に拡張した.地質体間の接触関係をxR#yと一般表現する.R#RIFLDTであり,xRyは空間的な上下関係,xIyは貫入,xFyは断層による切断,xLyは包含関係,xDyは同時異相,xTyは逆転の関係である.接触関係の名称の集合はA={整合,不整合,貫入,断層,包含,同時異相,整合(逆転),不整合(逆転)}である. 逆転関係の場合,新旧関係はxTyyU*x,接触関係の名称はφAx, y)=不整合(逆転)⇒ φAy, x)=不整合,φAx, y)=整合(逆転)⇒ φAy, x)=整合と推論する. 複数の地質体[gi]が逆転しており,これを複数の地質体[gj ]が不整合に覆う場合,不整合の空間的に下側の地質体をH1,上側の地質体をH2 とすると,層序P’はP’=(H1,不整合,H2 )と表現される.H1H2 の層序をそれぞれP’1P2 とすると,全体の層序は,P’=(P1,不整合,P2 )と推論された.

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© 2016 日本情報地質学会
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