地質学雑誌
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論説
九州北西部,下部-中部中新統野島層群のフィッション・トラック年代と沈降速度
小松原 純子鵜飼 宏明檀原 徹岩野 英樹吉岡 哲中嶋 健鹿野 和彦小笠原 憲四郎
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2005 年 111 巻 6 号 p. 350-360

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抄録

九州北西部に分布する下部~中部中新統の野島層群に挟在する火山砕屑物と凝灰岩質砂岩層について,ジルコンのフィッション・トラック年代測定を行った.野島層群は下位より大屋層,深月層,南田平層からなる.大屋層から2試料,深月層基底部の小島崎凝灰角礫岩層から2試料,深月層下部から2試料,南田平層から1試料を採取し,年代測定に用いた.測定は外部ディテクター法を採用し,試料ごとにジルコンの外部面を測定するED2法と内部研磨面を測定するED1法を用いた.大屋層の試料からは17.5±1.4 Maおよび17.7±0.9 Ma,南田平層の試料からは15.3±0.5 Ma(1σ)の年代値が得られた.南田平層からは門ノ沢動物群に相当する貝化石が発見された.現在の層厚とFT年代・化石年代から計算した堆積盆の沈降速度は最低でも500 m/m.y.以上となり,非常に沈降速度の速いリフト堆積盆であったと考えられる.この結果は前期~中期中新世の日本海拡大期に,現在の北西九州が伸張場であったとする見解を支持する.

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© 2005 日本地質学会
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