抄録
青森県津軽地方のグリーンタフ最下部をなす権現崎層から3つの溶結凝灰岩試料を採取し,FT年代測定を行った.試料は小泊半島北海岸に露出するデイサイト質火砕流堆積物から採取した.ジルコン内部面の測定から19-23 Maの年代が決定された.FT長の解析から,これらの年代は火砕物の定置年代を示すものと解釈される.本層の堆積開始は約23 Maかそれより少し前で,最上部は前期中新世の後期(17-20 Ma)と見積もられる.ジルコン外部面の測定では22-31 Maの年代が得られ,2試料では内部面年代よりも有意に古くなった.この不一致は外部効果によるものだろう.1試料に対して行ったLA-ICP-MSによるU-Pb年代測定は約33 Ma(前期漸新世)の年代を示した.ジルコンは前期漸新世に形成され,約10 Myr後に発生したデイサイト質火砕流またはその供給マグマに取り込まれたものと推定される.