地質学雑誌
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論説
境峠-神谷断層帯北部,境峠断層の完新世における活動履歴
吉岡 敏和細矢 卓志橋本 智雄水野 清秀宍倉 正展石山 達也
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2005 年 111 巻 9 号 p. 547-560

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抄録

長野県西部に位置する境峠-神谷断層帯の境峠断層について,その活動履歴を明らかにするために,旧奈川村ソグラ沢地点,同寄合渡地点,木祖村細島地点の3地点でトレンチ掘削等の調査を行った.その結果,それぞれのトレンチにおいて,明瞭な断層が観察された.そのうち寄合渡地点のYBトレンチでは,断層と地層の層序関係から,壁面に露出した地層の堆積中に少なくとも2回の断層活動があったことが読みとれた.堆積物の年代測定結果をもとに各トレンチの壁面の解釈を総合すると,断層の最新活動はBC 2910以降,AD 220以前にあり,1回前の活動はBC 5725以降,BC 4700以前にあったと推定される.平均変位速度については,ソグラ沢地点の段丘変位から,見かけの上下変位速度で約0.1-0.4 m/千年と見積もられ,断層が左横ずれ変位を伴っていることを考慮すると,真の平均変位速度はさらに大きくなると考えられる.

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© 2005 日本地質学会
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