地質学雑誌
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論説
関東平野岩槻観測井の基盤岩類の帰属と中央構造線の位置
高木 秀雄鈴木 宏芳高橋 雅紀濱本 拓志林 広樹
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2006 年 112 巻 1 号 p. 53-64

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抄録

埼玉県岩槻市で1971年に防災科学技術センターによって掘削されたボーリングコアの最深部(3,505.0~3,510.5 m)およびその上部(2,943~3,327 m)の基盤岩類について,岩石記載と鉱物のEPMA分析ならびに放射年代測定を実施した.その結果,最深部基盤岩類は主にざくろ石トーナル岩質および緑簾石角閃岩質マイロナイトから構成され,そのざくろ石,角閃石,斜長石の化学組成と角閃石年代(70~83 Ma)から,領家帯に属するものと結論された.また,その上部は石英斑岩からなり,その黒雲母年代(17.7 Ma)から西南日本中央構造線に沿った瀬戸内火山岩類よりも古い値をとることが明らかになった.最深部の再結晶石英粒径に基づくマイロナイト化の程度区分と,基盤岩類全体のカタクレーサイト化から,関東平野の中央構造線は岩槻コアの基盤岩の深度位置から南側500 m以内にあることが推定された.

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© 2006 日本地質学会
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