抄録
大子地域に分布する新第三系中新統に産する火山岩類の化学組成とK-Ar放射年代を求めた.火山活動はカルクアルカリ系列および島弧型ソレアイト系列から海洋性ソレアイト系列へと変化した.放射年代は18.0~15.5 Maを得た.大子地域の浮遊性有孔虫化石帯の結果と火山活動の化学的特徴を茂木地域の結果と比較した.大子地域の早期中新統の地層は茂木層に対比されること,男体山火山角礫岩のアイスランダイトは茂木層のアイスランダイトと対比できることが示された.さらに,大子-茂木地域では,日本海拡大に関係する2度の海洋性ソレアイト系列の火山活動があることが示された.