地質学雑誌
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論説
前期~中期中新世の北海道中央部における火山岩の地球化学的特徴:背弧拡大に伴う火成活動縁辺部のマグマの特徴
古堅 千絵中川 光弘廣瀬 亘足立 佳子
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2010 年 116 巻 4 号 p. 199-218

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抄録

北海道では日本海盆拡大に関連した火山活動が起こり,北海道中央部はその縁辺部にあたる.ここではバイモーダルな火山活動が起こり,苦鉄質岩は地球化学的特徴から,日本海盆玄武岩に類似した組成を持つEタイプ,EM1の特徴を示すUrタイプ,島弧的な特徴を有するWタイプの3つに分けられる.珪長質岩は,非島弧的な高アルカリタイプおよびアダカイトタイプ,島弧流紋岩の組成を持つ高シリカタイプの3つに分けられる.これらの珪長質岩は下部地殻の部分溶融によって生成されたもので,島弧会合部を反映した複雑な地殻構造がこれらの多様性を生じたと考えられる.マントル由来の苦鉄質マグマは,同時期に活動した日本海盆および日本海周辺の他地域の玄武岩よりもNb/Yb比が高く,またEM1組成が認められる.これらのことは,起源マントルがより深かったことを示唆している.

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© 2010 日本地質学会
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