抄録
この見学旅行では,手取層群の海成層として初めて放散虫類が発見された上部ジュラ系東坂森層・桐谷層と,本層群の恐竜足跡化石産出層の1つである下部白亜系陸成層の跡津川層を観察する.東坂森層の上部をなす有峰頁岩層および桐谷層は,砂岩や砂質シルト岩主体の浅海成層でアンモノイド類などの軟体動物化石が産出する.最近になり,これらの地層の砂質シルト岩にみられる棲管化石の充填物から,放散虫類をはじめとする様々な微化石が報告された(平澤・柏木,2008;柏木・平澤,2009b).一方,跡津川層上部の和佐府互層は砂岩泥岩互層からなる蛇行河川系の堆積物である.本互層からは脊椎動物化石に加え,多様な恐竜足跡化石が産出される.手取層群の古生物学的研究は主に大型の体化石を対象としてきた.本コースでは恐竜足跡化石や,これまでほとんど注目されてこなかった海成層の生痕化石および微化石の産出層について観察する.